英数字修正への意欲、急増中
30 Dec 2005
現役(?)の頃からこういった「お勉強」が苦手、というか面倒くさくて敬遠していました。どちらかというと、さっさと手を動かして早く結果を確認したいタイプだったので、こういった知識の吸収はいつでも新鮮な体験となります。
にわか仕立てで付け刃の専門知識、専門用語は数日中に忘れてしまいそうですが、今考えている英数字デザイン修正の方針に自信がつきましたし、何よりも「早く作業にかかりたい」「もっと良い書体にしたい」という意欲が非常に強くなってきた事が嬉しいです。
次の作業予定
28 Dec 2005
ひらがな・カタカナ
- 未だ気になる「み」「で」などの文字の修正。
- 中間ウエイトでの濁点、半濁点などをもう少し太くしてみる。
- 縦組み用の句読点、拗促音などの設定。
- 括弧などの基本的な記号を追加。
M+ BITMAP FONTS
- 12 ドットを中心とした見直し。
- TESTFLIGHT への組み込み(10、12ドットの和文とプロポーショナル英数字)。
アルファベット
- 全ての文字の見直し。 *1
- 全体的な字間設定の見直し。 *2
*1 英数字のデザインは TESTFLIGHT 008 あたりに試作したものなので、厳密には最新のかな文字と太さや曲線の雰囲気が異なっています。かな文字が 010 にかけて修正された様に、英数字のデザインも「甘さ」を押さえ、もう少し引き締まった表情にしたいと考えています。また現状では各文字がやや均質的なボリューム感を持っていますが、例えば「G」や「M」「O」などはもう少しゆったりとさせたり、逆にいくつかの文字はフトコロをやや狭めて、字並びに自然な緩急感を与えてみたいと思っています。
*2 基本的には PC などディスプレイ上での視認性を重視して、緊張感の少ない、ゆったりとした字間設定にしたいと思っています(印刷を前提とした字組みは DTP ソフトで簡単に調整できますが、web ブラウザなどでは調整できませんよね)。しかし現状ではまだ検証が不十分なので、もっと試行錯誤してみたいと思っています。
以上の作業がある程度完成した後に、次の段階へ移ります。
- その他の英数字、記号類を追加。
- 半角英数字を追加。
漢字について、その作業を完全に諦めたわけではありませんが、必要とされる膨大な時間は第一に(まだまだ完成途上である)かな文字や英数字の修正に当てたいと考えています。プロジェクト当初の頃とは状況も変化し、IPA フォントの公開でとりあえず満足できる日本語フォントが入手可能になったので、作業目標の重心を「Free な日本語文字の拡充」から「(限定された文字種ではあっても)Free で高品質な日本語文字」および「Free で高品質なな欧文フォント」に移したいのです。まあ、どちらにしても日常生活の中心が M+ FONTS にある事は変わりありません。
M+ TESTFLIGHT 010 使用例
26 Dec 2005
でもその影には上手く表示されなかったり、漢字の補完されない方が何倍もいらっしゃることが予想されます。できましたら「どのような環境で」「どのような設定をして」または「特別な設定なしに」表示された画像なのかもお書き添えいただけると嬉しいです。もちろん「こんな変な表示になった」という例も大変有用ですので是非お願いいたします、文面に「M+ TESTFLIGHT 010」と入れていただければ、Google 先生に案内してもらい、確認させていただきます。また設定例など、こちらからリンクしても構わない場合は、メールなどで連絡をいただけると非常に助かります。
M+ TESTFLIGHT 010 使用例 #2
26 Dec 2005
既存和文書体の漢字との相性について報告をいただきました。こちらで確認したヒラギノなどとの相性も合わせてまとめておきます。
thin | = | (該当無し) |
light | = | モトヤシーダ 1 |
(該当無し) | = | 華康ゴシック W3 |
(該当無し) | = | ナウ-GM |
regular | = | ヒラギノ角ゴ W3、IPAG |
(該当無し) | = | 華康ゴシック W5 |
medium | = | ナウ-GB |
bold | = | ヒラギノ角ゴ W6 |
heavy | = | ナウ-GU |
black | = | ヒラギノ角ゴ W8 |
M+ Japanese outline fonts with IPA font
24 Dec 2005
http://packages.gentoo.org/ebuilds/?mplus-outline-fonts-0_pre010
M+ TESTFLIGHT 010
23 Dec 2005
公開しました、詳細はこちらをご覧下さい。
https://sourceforge.jp/forum/forum.php?forum_id=8446
M+ TESTFLIGHT 010
http://downloads.sourceforge.jp/mplus-fonts/6650/mplus-TESTFLIGHT-010.tar.gz
M+ OUTLINE FONTS
http://mplus-fonts.sourceforge.jp/mplus-outline-fonts/
TESTFLIGHT 010 まであと少し #6
20 Dec 2005
今までも、設定すれば kerning が反映されたかも知れないと考えると 狩野さん に申し訳ない気持ちで辛いのですが、「Windows 上の Illustrator CS では、初めてカーニングが動くようになりました。」という報告もある事ですし、深く考えない事にしましょう。
何でグラフィックデザイン用のプログラムの初期設定が、そのフォント本来のデザインで表示されない様になっているのか、理由が分かりません。
上がカーニング設定「0」の状態、下が「自動」にした状態です。Safari.app では相変わらず kerning されないのですが、ヒラギノ角ゴなどでも同様なので、そういうものなのでしょう。
kerning 処理の確認が出来たので、M+ 2 で差し替えられる「M」の設定も追加しました。
M+ OUTLINE FONTS のアルファベット
19 Dec 2005
狩野さん が M+ OUTLINE FONTS のアルファベットについて記されています(「M+ のアルファベットを鑑賞する」)。少々大袈裟な気もしますが、ありがたく読ませていただきました。感覚的な作業に没頭しがちな自分を理論で支えて下さるこの文章は、これからの作業の励みともなります。本当にありがとうございました。
遥か昔、まだ自分が師匠の元で修行中だった頃、師匠の作品に対して評論家の方々が色々と論理的な解説をされていました。それらの解説は、その制作現場にいた自分にとっても興味深く感じられたものでした。まさか自分の制作物に対して、このように論じていただく事があろうとは思ってもいませんでしたが(嬉しいながらもちょっと恥ずかしいものですね)、これからもご期待に応えられる様、完成度を高めて行きたいと思います。
TESTFLIGHT 010 まであと少し #5
14 Dec 2005
数字の固定幅設定、M+ 2 での一部文字差し替えも完了。いよいよ新版公開も秒読み段階となってきたので、 M+ OUTLINE FONTS web の更新準備を始めました。
今回から英数字が組み込まれる訳ですが、そのバランスに少々悩んでいます。元々ヒラギノ角ゴの英数字とほぼ同じ大きさにしていました。ヒラギノでは英数字がやや大き過ぎる印象があったのですが、M+ のかな文字は字面が大きめなので逆にバランスが取れるだろうと思ったのです。しかし実際に組み込まれ、文章の段落として眺めてみると、まだまだ英数字が大きく見えました。そこで英数字を 94% で組み込み、同ポイントの helvetica とほぼ同じ大きさにしてみました。文章の中の英数字は程良く溶け込み、日本語を邪魔しないバランスとなりました。しかし今度は見出しなど 1 行程度の文字数で拡大表示された場合、英数字が小さくなり過ぎた感じです。そこで今のところ中間を取って 97% にしているのですが、まだあまり自信がありません。
ベースラインの設定でも、日本語と大文字・数字のバランスを重視すると小文字が下がり過ぎてしまうので、上手く妥協点を探る必要があります。
今回の修正で英数字を組み込む事が出来たのは、本当に予想外の嬉しい出来事でした。そのおかげで、この様に英数字のバランス検討をデザイン修正前に詰める事が出来ますし、何よりも(デザイン的にはまだまだ不満があるとはいえ)オリジナルの英数字が共に表示される事で、自分が思い描いていた M+ OUTLINE FONTS のイメージがかなり再現される様になりました。
途中段階の英数字はもちろん、かな文字の中にもまだ不満な文字が残っていますが、今回はそれらの修正をひとまず我慢して、とりあえず落ち着いた気持ちで全体を眺めて見ようと思っています。
TESTFLIGHT 010 まであと少し #4
12 Dec 2005
英字の kerning 設定が反映されない件は、根が深そうなので後回しになりそうですが、現状でもそれなりの字詰めは実現できているので、大きな問題にはならないと考えています。
まあ、せっかく 3000 行の kerning 設定ファイルを用意したので、いつの日か利用できる様になると良いなあ、というくらいの気持ちでいる事にします。Mac OS X 以外の環境では反映されているらしいので、そのうち確認しなくては。
自分の勘違いで数字部分の字送りをプロポーショナルにしていましたが、大抵の欧文フォントは固定幅になっていました。 狩野さん にスクリプトを修正してもらい、対応する .svg ファイルを commit しました。後は、M+ 2 で一部差し替わるグリフを用意して、出力スクリプトで無事に割り振る事が出来るようになれば、そろそろ公開しても良いかなと思っています。
TESTFLIGHT 010 まであと少し #3
09 Dec 2005
TESTFLIGHT 010 まであと少し #2
05 Dec 2005
自分のデザインしたグリフがフォントとなって表現される感動は勿論ですが、このプロジェクトの何よりの成果は、Illustrator でデザインしたグリフが fontforge を使用して .ttf ファイルへと出力される仕組みそのものだと思っています。特に今回からはプロポーショナル英数字の出力が可能となったので、(欧文フォントに限れば)フォント制作に興味をお持ちの方への敷居がだいぶ低くなったのではないでしょうか。
IPA ゴシックの漢字と組み合わせたフォントも出力してみたところ、Safari や Illustrator などで充分実用的に使用できそうです。このフォントをそのまま公開する事ができないのは非常に残念ですが、まあ仕方無いですね。
TESTFLIGHT 010 まであと少し
03 Dec 2005
# 大文字と数字、記号類は全て全角幅で表示されるため、まだ実用的ではない。
英数字に関しては、かな文字同様にデザインを全て見直すつもりだったので、今回は組み込みを省略しても良かったのですが、なかなかそれなりに表示されているので欲がでてしまいました。狩野さんに無理を言って、全英数字分の字間設定組み込みをお願いしたので、上手く行けば TESTFLIGHT 010 は「かな文字」プラス「英数字」でのリリースとなるかも知れません。